退職祝いの名入れ記念品|職場から贈る選び方と費用
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退職祝いの記念品は、お名前と在籍された年月を刻んだ金属の品にすると、いちばん外しません。飾っても使っても手元に残りますし、どこで何年働いた人なのかが、そのまま形になって残るからです。
わたしは元アパレル販売で、Ichisに入ってからレーザー加工を学びました。店頭にいたころ、送別会の幹事を任された方が贈り物を選びに来られる場面を何度も見ています。ご自分のための買い物とは、明らかに顔つきが違いました。予算は人から集めたお金、贈る相手は毎日顔を合わせてきた人、そして渡す日は動かせません。迷っていられる時間があまりない買い物なのだと思います。
退職祝いがほかのお祝いと決定的に違うのは、贈る側が一人ではないところです。誕生日や長寿のお祝いはご家族が贈り主ですが、退職祝いは部署やチームがまとまって贈ります。だから「何を選ぶか」より先に「誰の名前で贈るか」「何人分いるか」を決めておかないと、あとになって作り直しになります。
この記事では、職場から名入れの記念品を贈るときに、何を刻めばいいか、どう頼めば費用に無駄が出ないかを、実際に金属へ刻印している側からお伝えします。先にひとつだけお伝えしておくと、いちばんお金に効くのは品物選びではありません。あとから一人ぶんを追加しないことです。理由は本文に書きました。
まず決めるのは品物ではなく「人数」と「贈り主の名前」
ご相談をいただくとき、多くの方が品物から話を始められます。ですが刻印の現場から見ると、先に決めておいていただきたいのは次の二つです。
- 何人ぶん作るか|退職される方お一人に贈るのか、同時に退職される複数の方に配るのか
- 誰の名義で贈るか|会社名なのか、部署名なのか、有志一同なのか
この二つが決まっていないと、刻む文面が決まりません。そして退職祝いでいちばん多い作り直しの原因が、この人数と名義の変更です。「同じ時期に辞める人がもう一人いた」「部署名ではなく会社のロゴにしたい」——送別会の準備が進むほど、こういう話は出てきます。
贈り主の名義に会社やお店のロゴを使う場合は、金属に彫るとかなり見栄えがします。下の写真は飲食店のロゴを金色のプレートに刻んだものです。

会社のロゴを刻むと「どこで働いた人か」が形として残ります。退職される方にとっては在籍の証明のようなものになりますし、贈る側の手間も減ります。ロゴのAiデータ(Illustrator形式)を広報や総務からもらえるなら、それをそのままお持ち込みください。データ作成の費用がかかりません。
何を刻むか|名前・在籍年・ひと言の三点で足ります

刻む内容は、次の三点があれば十分です。増やすほど良くなるものではありません。
| 要素 | 書き方の例 | 入れるかどうかの目安 |
|---|---|---|
| お名前 | 山田 太郎/T.YAMADA | 必ず入れる。いちばん大きく彫る |
| 在籍年 | 1998-2026/2026.3.31 | 入れると記念品らしくなる |
| 短いひと言 | ありがとうございました/お疲れさまでした | スペースが余ったら |
| 贈り主 | 営業部一同/株式会社〇〇 | 職場から贈るなら入れる |
在籍年の入れ方は「1998-2026」のように西暦を並べる形が、いちばん収まりが良いです。数字は画数がないので小さくしても読めますし、何年勤めた方なのかが一目で伝わります。
逆に、避けていただきたいのが長い文章です。「〇〇部一同より 二十八年間のご勤務に心より感謝申し上げます」のような一文をそのまま刻もうとすると、手のひらに乗る品物では一文字が2mmを切ってきます。そのくらいの大きさになると、漢字は画数の多いところが埋まって、少し離れると黒い塊にしか見えません。気持ちを込めた言葉ほど、読めなくなるともったいないです。
文字がつぶれる仕組みと避け方はレーザー刻印の失敗を防ぐ|文字がつぶれる原因と対策にまとめてあります。長い言葉はメッセージカードに書いて、金属には名前と年だけを残す。この分け方がいちばんきれいに収まります。
いちばんお金に効くのは「あとから一人追加」を避けること
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい話です。
Ichisの汎用レーザー刻印は、版代5,500円(税込)が注文ごとにかかります。品物1点ごとではなく、注文1回ごとです。同じデザインでも、注文を分ければそのたびに発生します。
退職祝いでこれが効いてくるのは、人数があとから動いたときです。10点で発注したあとに「あの人のぶんも作ってあげたい」となると、その1点のためにもう一度版代がかかります。最初から11点で頼んでいれば、増えるのは刻印代の1,500円だけです。
| 頼み方 | 版代 | 刻印代 | 合計(加工代) |
|---|---|---|---|
| 最初から11点をまとめて注文 | 5,500円 | 1,500円×11 =16,500円 |
22,000円 |
| 10点を注文したあと、1点だけ追加注文 | 5,500円×2 =11,000円 |
1,500円×11 =16,500円 |
27,500円 |
刻印代はどちらも同じ11点ぶんです。違うのは版代だけで、差は5,500円。たった1点を追加するために、1点の刻印代(1,500円)の3倍以上を払うことになります。
ですので、幹事の方には「まだ人数が固まっていないなら、少し多めの数で一度に頼んでおく」ことをおすすめしています。予備を1点持っておくと、渡すときに傷や汚れが見つかっても慌てずに済みます。
上の金額は刻印の加工代のみです。プレートやコースターなど品物そのものの代金と、送料は別途かかります。刻印代1,500円は刻印範囲100mm×100mm以内・50個未満の場合の1点あたりの単価です。デザインデータ作成代2,750円は、Aiデータ(Illustrator形式)をお持ち込みいただければかかりません。数量が50個以上になると1点あたりの単価が下がります(50〜99個は1点450円)。数量ごとの単価の考え方はノベルティを小ロットで作る|金属刻印の費用と数量の決め方に、全体の価格表はレーザー刻印の価格表にあります。追加注文で同じデザインをそのまま使えるかどうかは案件によって変わりますので、その際は一度ご相談ください。
品物の選び方|毎日使うもの・机に置くもの・持ち歩くもの
何に刻むかは、退職されたあとの生活を想像して決めると迷いません。大きく三つに分かれます。
| タイプ | 向いている品 | 刻める文字量 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 飾る | プレート・盾・コースター | 多め(ロゴ+名前+年+ひと言) | 長く勤め上げた方・記録として残したい |
| 使う | ステンレスのコースター・文具 | 中くらい(名前+年) | 実用品のほうが喜ばれる方 |
| 持ち歩く | キーホルダー・靴べら・タグ | 少なめ(名前かイニシャルと年) | 毎日そばに置いてほしい方 |
アイキャッチにしている携帯用の靴べらは、わたしたちの自社ブランド「Another City」のもので、ブランド名と創業年だけを刻んでいます。持ち歩く小さな品は、これくらいの文字量がちょうどいいという見本にもなっています。
それから、定年退職のお祝いに時計を贈る、という話はよくうかがいます。時計そのものは扱っていないのですが、文字盤のような小さな面にも刻印はできます。

これは組み立て前の文字盤に彫ったものです。すでに組み上がっている時計に刻印できるかどうかは、分解できる構造かどうかで変わりますので、お手持ちの品を考えている場合は先にお写真をお送りください。裏ぶたへの刻印であれば対応しやすいことが多いです。
素材そのものの選び方は金属プレートに名入れ刻印|素材選びと事例ガイド、真鍮とステンレスの違いは真鍮 vs ステンレス|刻印に向いている金属素材を比較に書いています。
費用と納期の目安
金額と納期は、代表の西出に確認したものをそのまま載せます。
退職祝いの記念品は、汎用のレーザー刻印の料金で承っています。版代が5,500円、刻印代が1点1,500円(刻印範囲100mm×100mm以内・50個未満の場合)、デザインデータ作成代が2,750円(Aiデータのお持ち込みなら無料)。すべて税込です。品物代と送料は別途いただきます。
納期はデザインが決まってから1〜2週間です。退職日や送別会の日は動かせないものですから、配送の日数も見て、当日の2〜3週間前にはご相談ください。人数が増えても加工の時間はそう変わりませんが、ご確認のやり取りが往復すると、そこで日数を使います。文面を先に固めておいていただけると早いです。
——西出(Ichis 代表)
わたしが取り違えそうになったこと
以前、退職される方へのプレートで「贈り主の名前を大きく、退職される方の名前を小さく」というレイアウト案をお出ししたことがあります。会社のロゴが立派だったので、それを主役にしたほうが記念品らしく見えると思ったからです。
これは、渡されたあとのことを考えていませんでした。記念品は退職された方の家に残ります。そこに置かれたとき、いちばん大きく目に入るのが元の勤め先のロゴだと、贈られた側の品というより会社の備品に見えてしまいます。
それ以来、いちばん大きく彫るのはその方のお名前と決めています。ロゴや部署名は、下に小さく添えるだけで十分に伝わります。刻印は大きさの差でしか主従を作れないので、この順番だけは先に決めておいたほうがいいです。
いつまでに頼めば間に合うか
送別会の日から逆算しておくと安心です。標準の納期をもとにした目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 送別会の3週間前 | 品物と、刻む文面の相談を始める |
| 2週間前 | 人数を確定して発注する(予備を1点入れておく) |
| 1週間前〜前日 | 仕上がり・お届け |
ロゴのデータを一から作る場合や、写真を使う場合はもう少し前倒しでご相談ください。退職日が急に決まることもありますので、お急ぎの事情があればそのままお知らせいただければ、間に合うかどうかを先にお返事します。
よくいただくご質問
Q. 1点だけでも頼めますか?
A. はい、1点から承っています。加工代の目安は版代5,500円+刻印代1,500円+デザインデータ作成代2,750円で9,750円(税込)、Aiデータをお持ちの場合は7,000円(税込)です。品物代と送料は別途です。
Q. 手持ちの時計や万年筆に刻印してもらえますか?
A. お持ち込みいただいた品への刻印も承っています。ただし替えのきかない品は素材によって仕上がりが変わりますので、事前にお写真をお送りください。分解が必要な構造の場合はお受けできないこともあります。詳しくはレーザー刻印を持ち込みで頼む|替えがきかない品の注意点をご覧ください。
Q. 部署の全員の名前を贈り主として入れられますか?
A. 入れられますが、人数が多いと一文字あたりが小さくなります。五人を超えるなら「〇〇部一同」にまとめたほうが仕上がりはきれいです。全員のお名前を残したい場合は、品物を一回り大きいものに変えるほうが確実です。
Q. 会社のロゴは使えますか?
A. 使えます。Aiデータ(Illustrator形式)をお持ちいただければ、デザインデータ作成代2,750円はかかりません。画像しかない場合はこちらでデータに起こしますので、できるだけ大きく鮮明なものをお送りください。
Q. 同じ時期に退職される方が複数います。名前だけ変えられますか?
A. できます。その場合も注文は1回にまとめてください。版代は注文ごとにかかるため、お一人ずつ別に頼むと人数分の版代がかかります。
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退職祝いの記念品のご相談
何に刻むかも文面も決まっていない状態で構いません。「〇月〇日に送別会があって、贈る相手は〇年勤めた方、予算はこのくらい」とだけお知らせいただければ、こちらから品物と文面の案をまとめてお返しします。人数が固まっていない場合も、そのまま書いてください。頼み方まで含めてご提案します。
