素材・加工ガイド

真鍮 vs ステンレス|刻印に向いている金属素材を比較

真鍮 vs ステンレス|刻印に向いている金属素材を比較
目次
  1. 先に結論:真鍮とステンレスの違い早見表
  2. 真鍮の特徴|質感と経年変化が魅力
  3. ステンレスの特徴|変わらない強さで長く使える
  4. こういう人は真鍮、こういう人はステンレス
  5. 用途から考える|素材選びの例
  6. 料金・納期の目安
  7. よくある質問

最終更新日: 2026年10月1日

「真鍮とステンレス、名入れに向いているのはどっちですか?」ギフトやノベルティの素材選びで、よくあるご相談のひとつです。どちらも金属ですが、レーザー刻印をかけたときの見え方や、使い続けたときの変化を比べると、この2つは見た目以上に性格が違う素材です。

結論からお伝えすると、経年変化や質感の深みを楽しみたいなら真鍮、傷つきにくさやシャープな印象を優先するならステンレスです。長く変わらず使ってほしいギフトにはステンレス、時間の経過そのものを味にしたいならアンティーク調の真鍮、という住み分けが基本の考え方になります。

この記事では、レーザー加工所Ichis(東京)が実際に制作してきた真鍮・ステンレスの事例写真をまじえながら、この2つの金属がどう違うのか、どんな用途でそれぞれが映えるのか、料金や納期はどれくらい差があるのかをまとめました。名入れの素材で迷ったときに、判断の手がかりとして読んでいただけたらうれしいです。より広い素材比較(木材・アクリル・革も含む)を知りたい方は、先に レーザー刻印で使える素材|木材・金属・アクリル・革で比較 を読むと全体像が掴みやすいです。

先に結論:真鍮とステンレスの違い早見表

細かい特徴に入る前に、まずは一覧でまとめます。ご自分が作りたいもののイメージと照らし合わせてみてください。

項目 真鍮(しんちゅう) ステンレス
色味 ゴールドがかった黄色 シルバー/ブラックコート等
経年変化 くすみ・黒ずみが出る(味になる) ほぼ変化しない
傷つきにくさ 柔らかく、傷は付きやすい 硬く、傷が付きにくい
刻印の見え方 刻印部が白~銀色に抜ける 下地色に対して黒やゴールドで抜ける
耐水・耐候 屋内向き 屋外使用にも対応可
おすすめ用途 アクセサリー・アンティーク調タグ・ブランド小物 コースター・ショップカード・看板・業務ノベルティ

真鍮の特徴|質感と経年変化が魅力

真鍮素材のペンダントトップ

Ichisで制作した真鍮のペンダントトップ。経年とともに色合いが深くなります。

真鍮の最大の魅力は、刻印を入れたあとに出るゴールドがかった質感と陰影です。アクセサリーとしてそのまま提案できる素材感があり、家紋・イニシャル・ブランドロゴを入れると、古美仕上げの一点物のような雰囲気が出ます。

一方で、真鍮は柔らかい合金なので、時間が経つと表面にくすみや黒ずみ(酸化による変色)が出てきます。これを「味」として受け取れる方にはぴったりですが、「買ったときのピカピカのまま使いたい」という方にはストレスになりがちです。

真鍮は、手の油や湿気に反応して少しずつ色が変わっていく素材です。よく手で触れる部分から先に色が変わることもありますが、不良ではなく素材の性質によるものです。アンティークジュエリーのような色の深まりを楽しみたい方には、真鍮が向いています。

真鍮のメリット

  • ゴールドの温かみがある質感
  • 使い込むほど色合いが深くなる
  • 刻印部とのコントラストで陰影が美しく出る
  • アクセサリーやブランド小物と相性がよい

真鍮のデメリット

  • 時間とともに変色(くすみ・黒ずみ)が進む
  • 柔らかく傷が付きやすい
  • 屋外での長期使用には向かない

ステンレスの特徴|変わらない強さで長く使える

ステンレスコースターにレーザー刻印を入れた事例

Ichisで制作したステンレスコースターの刻印事例(自社ブランドのAnother City)。

ステンレスは、変色しにくく傷つきにくい、汎用性の高い金属素材です。コースター・ショップカード・看板パネル・業務ノベルティなど、長く変わらず使ってほしい用途に向いています。

メリットは、表面がシャープでモダンな印象を作れること、黒などのコーティングを施した材料では刻印とのコントラストがはっきり出ること、屋外で使っても劣化しにくいことです。なお、Ichisの専用フォームからご注文いただけるメタルカードはアルミ製(厚さ約0.22mm、ブラック・ゴールド・ブルー・ピンクの4色)で、ステンレスのカードは個別のお見積りになります。金属カードの選び方が気になる方は メタル名刺 vs 紙名刺|金属カードの選び方 もあわせて参考になるはずです。

デメリットは、硬い素材のため加工時間が真鍮より少し長くなることと、真鍮のような「色の深み」「経年の味」を楽しむ素材ではないことです。完成した時点がいちばんきれいな状態、と捉えておくと選びやすくなります。

ステンレスは工具でも削れにくいくらい硬い素材なので、刻印は下地に対するコントラストで表情を作ります。黒いコーティング材に銀色で抜く刻印は、文字やロゴがはっきり見えやすい組み合わせです。

ステンレスのメリット

  • 変色しにくく、長期間きれいな状態を保てる
  • 硬く、傷が付きにくい
  • カラーコーティングとの相性がよい
  • 屋外・業務使用にも耐える

ステンレスのデメリット

  • 真鍮のような経年の「味」は出にくい
  • 素材が硬いぶん、加工時間はやや長め
  • 質感としての温かみは真鍮に譲る

こういう人は真鍮、こういう人はステンレス

ここまでの特徴をふまえて、選び方の目安をまとめます。

真鍮がおすすめの方

  • アクセサリーやキーホルダーなど、身につけるものを作りたい
  • 経年変化を「味」として楽しみたい
  • アンティーク調・クラシックな世界観を狙いたい
  • 家紋・イニシャル・ロゴを陰影で見せたい
  • ブランドの手作り感・一点物感を演出したい

ステンレスがおすすめの方

  • 店舗のコースター・ショップカード・看板を作りたい
  • 長く変わらない状態で使いたい
  • 複数人に配るノベルティで、品質を揃えたい
  • シャープ・モダンな印象にしたい
  • 屋外や水まわりで使うアイテムを作りたい

用途から考える|素材選びの例

ステンレス黒めっきプレートへのレーザー刻印サンプル

ステンレスの黒プレートに文字・記号を刻印したサンプル。下地との強いコントラストが特徴です。

同じ「刻印した金属プレート」でも、用途によって正解が変わります。素材の選び方の例を2つご紹介します。

例1:飲食店のコースター(ステンレスが向く例)。たとえば、毎日拭き取って使う飲食店のコースターなら、変色・傷・洗剤への耐性が必要です。真鍮も候補にはなりますが、業務使用での劣化を考えると、ステンレスのほうが向いています。

例2:アクセサリーブランドのタグ(真鍮が向く例)。たとえば、ブランドの世界観が「古書店」「アンティーク」のような雰囲気なら、ステンレスの冷たい印象は合いにくくなります。使う方の手元で色が育っていくことを前提にした商品には、真鍮が向いています。

よくある失敗ポイント。ステンレスに細かい文字を入れようとして、文字がつぶれて読みにくくなるケースです。小さい文字は2mm以上を目安にしてください。ただし、これはあくまで目安で、きれいに出るかどうかは素材とサイズで変わるため、データを拝見して個別にご案内します。素材選びは「どの見た目が好きか」だけではなく「どう使うか」から逆算すると失敗が少ないです。

料金・納期の目安

真鍮・ステンレスともに、加工範囲(文字・ロゴのサイズ)と個数で料金が変わります。1個からご注文いただけますが、版代がご注文ごとにかかる点だけ、先にお伝えしておきます。

金属素材の刻印も、レーザー刻印の料金表が基準です。刻印代(サイズ×個数。1個1,500円から)とは別に、版代(機械のセットアップ費)5,500円がご注文ごとにかかり、2回目以降のご注文でも毎回かかります。刻印用のデータ作成をIchisに任せる場合は、デザインデータ作成代が1デザインあたり2,750円かかります(Adobe Illustrator形式(.ai)のデータをお持ちなら不要です)。金額はいずれも税込です。

お手持ちの真鍮・ステンレスの品に刻印する場合、商品代はかかりませんが、版代と刻印代はかかります。プレートなどの品物をIchisでご用意する場合の商品代は、別途お見積りになります。

納期は、ご入金の確認後(お手持ちの品を送っていただく場合は品物の到着後)、おおよそ2週間が目安です。数量や内容によって前後します。プレートなどをIchisで仕入れてから刻印する場合は、仕入れと刻印を合わせて約3〜4週間が目安です。お急ぎの場合はご注文前にご相談ください(確約はできません。お急ぎ対応の可否と料金は、ご注文前にご案内します)。詳しい価格体系は レーザー加工刻印 価格表 にまとめていますので、あわせてご覧ください。正確な金額は無料のお見積りで確定します。

よくある質問

Q. 真鍮とステンレス、どちらが高いですか?

A. 刻印代は、料金表のとおり刻印のサイズと個数で決まります。プレートなどの品物をIchisでご用意する場合の商品代は、素材の種類・サイズ・厚み・表面の仕上げによって変わるため、どちらが高いとは一概に言えません。具体的な金額はお見積りでご案内します。

Q. 真鍮の変色を止めることはできますか?

A. 完全に止めるのは難しい素材です。一般的には、クリアコート(透明の保護塗装)で変色の進行を遅らせる方法があります。ご希望の場合は、対応できるかどうかを含めて、ご注文前にご相談ください。

Q. 刻印したあとに色を入れることはできますか?

A. 刻印した溝にインクを入れて色を乗せる「色入れ」という方法があります。素材や内容によって対応が変わるため、ご希望の場合はご注文前にご相談ください。

Q. 素材を持ち込みでお願いできますか?

A. お手持ちの品への刻印も承っています。品物は郵送でお預かりし、刻印後にお返しします。素材や形状、表面のコーティング・表面処理によっては加工できない場合や、刻印の仕上がりが変わる場合があります。先に ご相談フォーム から写真を添えてご相談ください。お持ち込みの場合の料金は、上の「料金・納期の目安」をご覧ください。

Q. サンプルを見てから決めたいです

A. 実物での試し彫りや試作をご希望の場合は、内容によって対応が変わるため、ご注文前にご相談ください。なお、制作に入る前には、刻印の内容とデザインをLINEまたはメールで確認させていただき、最終確認のあとに加工を始めます。

金属素材で迷われている方、作りたい完成イメージを共有して相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。お見積りは無料です。

▶ Ichisに素材相談・お見積もりを依頼する

著者:Ichis編集部