素材・加工ガイド

レーザー刻印で使える素材|木材・金属・アクリル・革で比較

レーザー刻印で使える素材|木材・金属・アクリル・革で比較
目次
  1. 素材ごとに変わる3つのポイント
  2. 代表的な素材 5系統と実例
    1. 木材:焼き色で刻む、木目ごとに表情が変わる素材
    2. 金属:真鍮・ステンレス・ニッケル系で仕上がりが変わる
    3. アクリル:切り出し+刻印で立体感が出る
    4. 革:焦げ色で立体感が出る、ムラが味になる素材
    5. シリコン/樹脂:IQOS・シーシャなど日用品への刻印
  3. 用途別の素材選び早見
  4. 素材選びでよくある失敗パターン
  5. 料金・納期の目安
  6. ご依頼の流れ

「刻印したいものがあるけれど、この素材にレーザーは入るのか」── わたしがお問い合わせのやり取りでいちばんよくいただく相談が、素材の可否と仕上がりの質問です。レーザー刻印は素材によって色の出方・線の太り方・ニオイの残り方が大きく変わります。素材選びを間違えるとデザインの雰囲気まで変わってしまうので、依頼の前にイメージを合わせておくと失敗がありません。

この記事では、わたしがIchisで実際に見てきた事例の写真を並べながら、代表的な素材ごとの違いを比較します。木材・金属(真鍮/ステンレス/ニッケル系プレート)・アクリル・革・シリコンの5系統をベースに、どんな用途に向くか、どこで失敗しやすいかまで、作っている側の目線でまとめました。

素材ごとに変わる3つのポイント

レーザー刻印の仕上がりは、大きく次の3点で変わります。このあとの素材比較も、この3軸で見ていくと選びやすくなります。

  • 色の出方:同じ黒い刻印でも、木は焦げ茶、金属は銀色、アクリルは白く抜ける、など素材ごとに全く違う表情になります。
  • 線の太り・にじみ:木目の粗い素材や熱がこもりやすい素材は、細い線が太って見えやすい傾向があります。繊細なロゴほど素材の選定が効きます。
  • 加工のしやすさと価格:固い素材ほど出力を上げる必要があり、加工時間・版代に影響します。小ロットか大量かによっても選び方が変わります。

代表的な素材 5系統と実例

Ichisで日常的に扱っている素材をまとめると、次のようになります。各セクションで実案件の写真を載せています。

素材 色の出方 向いている用途
木材(メイプル・ポプラ等) 茶褐色〜黒の焼き色 バット・看板・ウェルカムボード
金属(真鍮・ステンレス・ニッケル系) 銀色・黒・ゴールド(素材次第) コースター・プレート・ネックレス
アクリル(透明・ミラー) 白濁・切り出しエッジ 店舗サイン・装飾・キーホルダー
革(本革・合皮) 濃い焦げ色 キーホルダー・レザータグ
シリコン/樹脂 白抜き・模様 シーシャマウスピース・IQOS本体

ここに載っていない素材でも、サンプルがあれば試し彫りでお受けできるケースが多いので、気になる素材は遠慮なくご相談ください。

木材:焼き色で刻む、木目ごとに表情が変わる素材

木製バットへ校名・選手名・ロゴをレーザー刻印した事例(メイプル&ポプラ)

メイプル&ポプラのファンゴバットに校名・選手名・ロゴを刻印した事例

木材は塗料ではなく表面を焦がして刻むので、経年で擦れて消えることがなく、木目と刻印が自然に馴染みます。ただし木目の粗い杉や檜は、繊細なロゴだと線がガタつくことがあります。濃い木目とハッキリ出したいロゴは相性が悪く、樹種の段階で相談するのが安全です。

木材の加工事例・樹種別の仕上がりは、木材にレーザー刻印するとどうなる?で詳しく書いています。

金属:真鍮・ステンレス・ニッケル系で仕上がりが変わる

真鍮とシルバーの透かしデザインペンダントをレーザーで切り出した事例

同じ透かしデザインを真鍮とシルバーで切り出したペンダント比較

「金属」と一括りにされがちですが、実際には真鍮・ステンレス・アルミ・ニッケルメッキで仕上がりの色が違います。真鍮は刻印部分が黒く、ステンレスはシルバーのまま彫り込み、ニッケルメッキ系は白く抜ける、というようにそれぞれ違った顔を持ちます。

金属プレートへロゴ「AMADEUS SOCIETY」と装飾柄をレーザー刻印した事例

ニッケル系の金属プレートにロゴと装飾を刻印した事例

金属カードや真鍮プレートなど、定番商品の具体的な料金はそれぞれのページで確認できます。

アクリル:切り出し+刻印で立体感が出る

ミラーゴールドのアクリル板をレーザー切り出しして壁面装飾にした「Slow」ロゴ

ミラーゴールドのアクリルをロゴの形にレーザーで切り出した壁面装飾

アクリルはレーザーでの「切り出し」が得意な素材です。写真のミラーゴールド板のように、ロゴそのものをピースで切り抜いて壁や什器に付ける使い方が人気です。透明アクリルの裏彫りも、光の当たる環境では文字が立って見えてきれいに仕上がります。

一方、ミラー仕上げの板は指紋が目立ちやすく、配送中の擦り傷にも弱いので、完成後の梱包・取り扱いには注意が必要です。

革:焦げ色で立体感が出る、ムラが味になる素材

本革は焦げ色でしっかり刻印が入る一方、タンニン加工かクロム加工かで焼き色が変わります。ムラが味として歓迎される素材なので、ギフト用のレザータグ・キーホルダーで選ばれることが多いです。合皮は基材によって焦げ方が大きく変わるため、サンプルでの確認を必ずおすすめしています。

革アイテムの具体的な商品例は、レザーキーホルダー 名入れにまとめています。

シリコン/樹脂:IQOS・シーシャなど日用品への刻印

IQOSの本体プラスチックや、シーシャのシリコンマウスピースのような日用品への刻印は、実はご相談の中でも多い領域です。樹脂系は表面を白く抜くように刻むので、素地の色とのコントラストで見せます。発色の出方は素材次第なので、事前に同じ素材で試し彫りをすることが多いです。

IQOS本体への刻印は専用の料金体系(税込:1個目5,000円/2個目以降1,500円、2箇所目+1,000円)でお受けしています。SNS・HP掲載OKで送料無料の特典もあります。お申し込みはIQOS刻印 注文フォームから直接進めます。

具体的な持ち込み条件は、持ち込みレーザー刻印の完全ガイドにまとめています。

「素材を聞かれたときに『できます/できません』だけで答えないようにしています。同じ金属でも表面処理で仕上がりが変わりますし、見たことのない素材は一度試し彫りしないと責任を持って言えないんです。相談の段階でサンプルを送ってもらうと、こちらも正確な仕上がりイメージをお返しできます。」
── Ichis 西出

用途別の素材選び早見

用途 相性の良い素材 選ぶ理由
ショップカード・名刺 ステンレス・真鍮(メタルカード) 薄くて配布しやすく、記憶に残る
店舗サイン・装飾 木材/アクリル(ミラー・透明) 素材のキャラクターで雰囲気を作れる
ノベルティ(小〜中ロット) 金属プレート/アクリル/木材 素材選びでブランドの世界観を出しやすい
ギフト・記念品 真鍮ネックレス/革/木材 名入れの温度感と相性が良い
愛用品への名入れ(持ち込み) IQOS/ZIPPO/シーシャマウスピース 思い入れのある現物を変身させられる

素材選びでよくある失敗パターン

ここからは、わたしが実案件で繰り返し目にしてきたつまずきポイントです。わたし自身も最初は判断に迷ったケースが多かった部分なので、発注前のチェックに使っていただけたらと思います。

  • 塗装・コーティング済みの素材をそのまま刻む:表面のクリア層にレーザーが反応してしまい、ムラや白濁が出ます。可能なら無塗装でお預けいただくのが安全です。
  • 表面処理の違う金属を同じ前提で発注する:同じ「ステンレス」でも、ヘアライン加工とミラー加工ではコントラストが大きく違います。サンプルで色のイメージを揃えてから進めると失敗しません。
  • ミラー系アクリルを高画素の写真デザインで入れる:鏡面素材は細かいドット表現が反射で飛びやすく、遠目では読みにくくなります。シルエット重視のロゴデザインの方が映えます。
  • 革の種類を決めずに発注する:同じ「本革」でもタンニンとクロムで焼き色が違います。希望の濃さがある場合は、事前に希望イメージの写真を送ってもらうとズレを防げます。

料金・納期の目安

素材が変わっても、Ichisの基本料金の考え方は共通です。

項目 参考価格(税込)
版代(機械セットアップ費) 5,500円 / 注文ごと
デザインデータ作成代 2,750円 / 1デザイン
刻印単価(片面・〜49個) 1,500円 / 1点
刻印単価(片面・50個以上) 450円 / 1点
刻印単価(両面) 2,500円 / 1点(〜49個基準)
送料(小ロット) 500円
送料(50個以上) 1,000円

Adobe Illustratorの完成データ(.ai形式)をお持ちの場合、デザインデータ作成代は不要です。版代は1回のご注文ごとに発生するため、まとめてご依頼いただくほど1点あたりの負担が下がります。50個以上の本格的なロットでは刻印単価が1点450円まで下がるので、プレゼントやノベルティでまとまった数をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。

納期は素材によりますが、金属・木材・アクリルは概ね受注から1〜2週間。持ち込みのシリコン・樹脂系はテスト彫りを挟むため、2週間前後を目安にしてください。

「素材が決まっていなくても、やりたいことのイメージだけいただければこちらから素材を提案します。『こういう雰囲気で』『この予算感で』という入り方でも大丈夫です。サンプルで必ず確認して、完成品の写真を必ず事前確認してから発送しています。」
── Ichis 西出

ご依頼の流れ

  1. フォームから素材・用途・数量・イメージをお知らせください。
  2. Ichisから素材選びの提案と、お見積りをお送りします。
  3. デザインデータを確定し、試し彫りが必要な場合は実施。
  4. 本番加工 → 完成写真のご確認 → 発送。

素材選びから相談したい方は、レーザー加工のお問い合わせフォームが窓口です。素材の全体像はレーザー刻印の仕組みと対応素材のページにまとめています。

「どの素材がいちばん自分のイメージに合うのか」。このページを読みながら候補が2〜3個に絞れたら、あとはお見積りと試し彫りで仕上がりを確認していく段階です。わたし自身、最初に素材の違いを教わったときに「候補を絞ってから聞く」より「やりたいイメージだけ持って相談する」方がずっとラクだと感じました。素材が決まっていない段階のご相談こそ、作り手目線でいちばんお役に立てるタイミングなので、お気軽にお声がけください。