IQOS刻印 持ち込みデータの作り方|入稿前のチェック5項目
IQOSへ持ち込みでレーザー刻印を依頼するとき、仕上がりの8割は「入稿データの作り方」で決まります。デザインそのもののセンスより、データのフォーマットや線の太さといった土台部分で、納期も精度も大きく変わるからです。
わたしは紗英、Ichis広報を担当しています。前職はアパレルの販売スタッフで、入社してからレーザー加工の世界を一から学んでいる身ですが、お客さまから入稿データをいただくたびに「ここをもう少しだけ工夫すれば、納期も仕上がりも一段よくなったのにな」と感じる場面が本当に多くあります。
この記事では、Ichisで実際にいただいた入稿データのうち、仕上がりがきれいに出たデータと、修正をお願いせざるを得なかったデータの両方を踏まえて、入稿前にチェックしておきたい5つのポイントを作り手目線でまとめます。これからIQOS(ILUMA/ILUMA ONE/ILUMA PRIME)への持ち込み刻印を考えている方の判断材料になればうれしいです。
なぜ「入稿データ」で仕上がりが決まるのか
レーザー刻印は、入稿いただいたデータの線・面を、機械がそのまま素材へ転写する加工です。つまり、データに問題があれば、そのまま素材に問題として出てしまいます。例えば0.02mmの極細線がデータ上にあると、レーザーはその線を「打つかどうか」を判断しきれず、線が途切れたりにじんだりすることがあります。
また、データの形式(jpg画像かAiベクターか)でも、加工方法が大きく変わります。ベクターデータなら「線をなぞるベクター刻印」、画像データなら「点の濃淡で表現するラスター刻印」と、機械側のモードが切り替わります。輪郭のシャープさ・線の鋭さは、ベクターの方が圧倒的に出やすいです。
「いい絵」と「いい入稿データ」は別物です。同じデザインでも、Aiでアウトライン化されたデータと、jpgのままのデータでは、同じ機械でもまったく違う仕上がりになります。お客さまのイメージを最大限再現したいので、データの形式はいつも最初に揃えておきたいところです。
Ichis 西出

入稿前にチェックしたい5つのポイント
持ち込みデータを送る前に、以下の5項目を見直すと、修正のラリーがほぼ無くなります。それぞれの理由と、Ichisで実際にあった事例を一緒に紹介します。
1. データ形式は「Ai/PDF(アウトライン化済)/SVG」のいずれか
もっとも理想的なのは、Adobe Illustratorで作成したAiデータ、もしくはアウトライン化されたPDFかSVGです。線情報が「ベクター」として残っているデータなら、レーザー機が拡大縮小しても劣化しません。jpg・pngなどの画像形式でも刻印自体は可能ですが、ラスター加工になるためエッジがやや甘くなります。
- ◎ 推奨: Ai/PDF(アウトライン化済)/SVG
- ○ 可能: 高解像度のjpg・png(後述の解像度条件あり)
- △ 要相談: 紙の手書きスケッチ(こちらでベクター化する作業が発生し、納期が+2〜3日)
2. 線幅は「0.05mm以上」を確保
レーザー刻印機が確実に再現できる最小線幅は、おおむね0.05mm前後です。デザインソフトでは見えていても、実際の刻印では「飛んだ」ように見えなくなる線幅は意外と多いです。特にAdobe Illustratorのデフォルトの「0.001pt」や「ヘアライン」設定のままで送られてくるケースが頻繁にあるので、入稿前に線幅をチェックしてください。
3. 写真・グラデーションは「600dpi・グレースケール」が目安
写真をそのまま刻印したい場合、入稿データの解像度が結果に直結します。実寸サイズで600dpi以上、できれば1200dpiまで上げていただくと、髪の毛や瞳のディテールまで再現しやすくなります。さらに、レーザーは色を持たないので、入稿前にグレースケール変換した状態のデータを確認していただくと、仕上がりイメージにギャップが出にくくなります。

4. フォントは必ず「アウトライン化」する
テキストをそのまま入稿すると、Ichis側のPCにそのフォントが入っていない場合、別のフォントに置き換わってしまうことがあります。これはレーザー加工以前の段階で「お客さまのイメージと違うものになる」最大要因のひとつです。Adobe Illustratorなら「書式 → アウトラインを作成」、CanvaならPDF書き出し時に「書き出し用 PDF」を選択すれば、フォントが図形化されて固定できます。
5. 刻印サイズと位置を、本体写真で指定する
意外と忘れがちなのが、「実際の本体のどこに、どれくらいの大きさで刻印するか」の指定です。デザインだけ送られてきて「いい感じの位置でお願いします」というケースもありますが、お客さまの「いい感じ」と作り手の「いい感じ」は微妙にズレがちです。お手元のIQOSをスマホで撮影し、刻印したい場所と希望サイズ(例:横30mm × 縦15mm)を画像に書き込んで送っていただくと、ズレがほぼゼロになります。
持ち込み事例で見る「いい入稿データ」
言葉だけでは伝わりにくいので、実際の入稿事例を3つ紹介します。いずれもデータの作り込みがしっかりしていたので、修正のやりとりは1往復以内で完了し、納期も最短で進みました。
事例1:イラストの「線が活きる」鯉デザイン
うろこの一枚一枚まで描き込まれた鯉のイラスト。Aiデータでアウトライン化された状態で入稿いただいたので、極細部分も飛ばずに刻印できました。複雑なイラストほどベクターデータの恩恵が大きいです。
事例2:筆記体サインの「線の強弱」を残す
名前をそのまま筆記体で刻印するご依頼は、ILUMA ONEで特に多いオーダーです。フォントをアウトライン化した状態で送っていただいたので、ペン先の入りと抜きがそのまま線の太さに反映されました。
事例3:グラフィティ系の「太い面の塗りつぶし」

グラフィティのように「ベタ塗り」がメインのデザインは、面のパスが閉じていることが大切です。データ上で見落としがちな「閉じていない隙間」があると、刻印中に面の濃さがムラになることがあります。
よくいただく質問
Q. 手書きデザインは持ち込めますか?
はい、可能です。ただ、こちらでスキャン→ベクター化(トレース)の作業が発生するので、納期が+2〜3日、料金も+3,300円程度かかります。手書きの線の味を残したいご要望が多いので、できる限り元の雰囲気を残してトレースします。
Q. SNSで保存した画像は使えますか?
著作権の問題がない範囲(自分で撮影した写真・自作のイラストなど)でしたら問題ありません。他人のキャラクター・ブランドロゴ等は、著作権・商標権の確認が取れない場合はお断りしています。判断が難しい場合は事前にご相談ください。
Q. データを送る前にイメージだけ相談できますか?
もちろんです。LINEやお問い合わせフォームから「こういう感じにしたい」というイメージをいただければ、データの作り方や仕上がりのご提案をお返しします。データ作成のハードルが高い方には、Ichis側でデザインからお手伝いするプランもあります。
料金・納期の目安
| 内容 | 料金(税込) | 納期目安 |
|---|---|---|
| 持ち込みIQOS本体への片面刻印 | 5,500円〜 | 本体到着後 3〜5営業日 |
| 両面刻印 | 9,900円〜 | 本体到着後 4〜6営業日 |
| 手書きデザインのトレース | +3,300円 | +2〜3日 |
| Ichisでのデザイン作成 | +5,500円〜 | +3〜5日 |
料金よりも、納期がデータ次第で1週間単位で動くというのを知っておいていただきたいです。良いデータで届けば最短3営業日、要修正データだと1週間以上かかることもあります。事前に確認するだけでこれだけ変わります。
Ichis 西出
Ichisでの対応事例
Ichisでは月20本以上のIQOS刻印を加工しており、入稿データの相談から仕上げまで一貫してCEOの西出が担当しています。Adobe Illustratorで作るのが難しい方には、ヒアリングしながらこちらでデザインを起こすプランもあります。
これまでに刻印した実例は別記事「IQOS刻印のデザイン事例|名前・イラスト・写真、どこまでできる?」にまとめています。持ち込み加工の全体の流れは「IQOS ILUMA(イルマ)刻印の持ち込みガイド」もあわせてご覧ください。レーザー刻印そのものの全体像はレーザー刻印とはのページにまとめています。
ご相談・お見積もりはお気軽に
「データ作成が不安」「このデザインで本当に大丈夫か見てほしい」など、入稿前の相談だけでも歓迎しています。下記のフォームから、デザイン候補のスクリーンショットや手書きラフをそのまま送っていただいてかまいません。
